普段当たり前のように使っている電気ですが、実は電力不足の問題が深刻さを増しています。

例えば、「電力需給ひっ迫警報」を聞いたことはありますか?
この警報は、大規模停電を未然に防ぐために経済産業省の資源エネルギー庁が発令する日本の警報で、2022年3月21日に初めて政府から発令されました。

「普段当たり前に使っている電気が突然使えなくなってしまったら?」
考えただけでも恐ろしいですよね。

そこで、本ブログでは、電力ひっ迫(電力不足)についてご説明します。

わたしたちの生活に欠かせない電気について詳しくなり、電気を守るためになにができるか考えてみましょう!

私たちの電気が危ない?「電力ひっ迫(電力不足)」とは

そもそも、電力ひっ迫とはどういう状況なのでしょうか。

「電力ひっ迫」は、わたしたちが必要としている電力量(需要量)に発電所のつくる電力量(供給量)が追いつかなくなってしまう状態のことをいいます。

そして、「電力ひっ迫」が発生すると、電力供給を行うことができなくなるため、電力会社は計画停電や節電要請を行う必要が出てきます。

「電力需給ひっ迫注意報」と「電力需給ひっ迫警報」とは?違いと発令基準

「電力ひっ迫」という言葉は政府や電力会社から発令される「電力需給ひっ迫注意報」や「電力需給ひっ迫警報」で始めて知った方も多いと思います。これらの違いはなんでしょうか?

「電力需給ひっ迫注意報」「電力需給ひっ迫警報」とは、翌日の電力需要に対する供給の余力(予備率)が一定基準値を下回る見通しの場合に、16時を目途に資源エネルギー庁が発令するものです。「需給ひっ迫注意報」は、翌日の予備率が5パーセントを下回る見通しの場合、「需給ひっ迫警報」は、翌日の予備率が3パーセントを下回る見通しの場合に発令されます。

参照:資源エネルギー庁『2024年度以降の電力需給運用』

上記については、Nature Homeアプリの「電気ひっ迫予報」ウィジェットでも簡易的に確認できます。詳細は以下をご覧ください。

他人事ではない!電力ひっ迫が私たちの生活や社会に与える影響

上記で説明したように、わたしたちが必要とする電力量より発電所のつくる電力量が少なくなると、使える電気が足りないので、大規模な停電や「大手電力会社の管轄する地域のすべて」または、「非常に広範囲に」停電が起こる現象(ブラックアウト)が起こる可能性が高まります。

電力不足の問題は、みなさんの生活に密接に絡んでくるのです。そこでひとつ、みなさんに覚えていただきたい電力の仕組みがあります。

電気の安定供給を行うための「同時同量」の仕組み

電力は、大量に貯めておくことができないので、需要(使用量)と供給(発電量)が常に同じになるように、電力会社(発電事業者)によって調整されています。

このように、わたしたちが使用する電力量と発電所がつくる電力量が絶えず完全に一致していることを「同時同量」といい、これが重要な電気の仕組みです。

需要量と供給量のバランスが崩れると、周波数が乱れ、電気の供給が正常にできなくなります。(50Hzや60Hzという周波数は同時同量の仕組みによって守られているんですね。)

つまり、「同時同量」が守れないと、みなさんの仕事場や生活環境にうまく電気が行き届かなくなってしまうのです。

電気の基本情報についてさらに詳しく知りたい方は、以下のブログもご覧ください。

電力ひっ迫はなぜ起こる?主な原因を深掘り

同時同量の説明から、「わたしたちが必要な分、電力量をつくればいいのでは?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、主に4つの要因によって、需要に合わせた電力量をつくることが難しくなっています。

①地震や台風などの災害による発電所の停止

地震大国である日本は、それを引き金に発電所を停止させてしまうことも稀ではありません。他にも、台風や大雨による浸水などが発電所、変電所に影響を与えることもあります。

②気温による急激な電力需要の増減

猛暑や寒波も電力ひっ迫の要因です。暑い日・寒い日はエアコン等の空調機器の仕様が増えるため、電気の需要量は急激に増加します。

気温による急激な需要増加のため、これから③で説明する老朽化した火力発電所を再稼働させることで需給を一致させることもあります。

③火力発電所の休廃止と原子力発電所の停止

近年、高度経済成長期に稼働を始めた火力発電所が老朽化を迎えています。
その老朽化した火力発電所が、次々と稼働を休廃止しており、火力発電所は減少するばかりです。

また日本では、2011年の福島第一原子力発電所事故以来、多くの原子力発電所が稼働を停止しています。その再稼働、ましてや新設はハードルが高く、東日本エリアでは2024年4月時点でまだ1台も再稼働していない状況です。

老朽化した発電所は、本来であれば建て替える必要がありますが、世界的な脱炭素化の流れから、それもなかなか進められていない状態です。
再生可能エネルギーも、老朽化した発電所を補うだけの量は導入できていません。
猛暑や寒波の電気の需要を安定的にまかなうための発電所の確保はギリギリの状況です。

④世界情勢の悪化による燃料調達難

日本はエネルギー輸入国なので、化石燃料の必要量を調達できなければ、もちろん必要な電力量をつくることができません。

では、現在の化石燃料に関する世界情勢はどうなっているのでしょうか。

資源エネルギー庁 のページでは、以下のように言及されています。

2021年から上昇傾向にあったエネルギー価格でしたが、2022年には、さらに高騰することとなり、世界各地の天然ガス市場では過去最高値を記録しました(第121-1-1)。ロシアのウクライナ侵略等を起因とする、こうした世界のエネルギー情勢の変化は、短期的なエネルギーの需給ひっ迫や価格高騰を引き起こしただけでなく、中長期的にもエネルギー市場への影響を及ぼすことが予想されています。

上記の影響で日本で停電が発生することはありませんでしたが、電力会社の電気料金の値上げにつながっています。このような世界のエネルギー情勢の変化により、中長期的にエネルギーの安定供給が危ぶまれる可能性もあります。

今回ご紹介したようなさまざまな要因が絡み合うことで、つくる電力量を調整することは困難になっています。

今までは、需要に合わせてつくっていた電力も、地球温暖化が進む今、環境によくありません。では、どうすれば「同時同量」を守って電力を使えるのか。

それについては、以下でご説明します。

電力ひっ迫を防ぐために家庭でできること:今日から始める節電アクション

1. こまめな節電

家電は、少しだけ意識を変えるだけで、意外と節電効果があります。

使っていない家電を消すのはもちろん、エアコンであれば、設定温度を1℃変えるだけでも、消費電力量が変わります。

環境省 によると、エアコンの設定温度を1℃緩和した場合の消費電力量は、冷房時で約13%、暖房時で約10%削減されると見込まれています。

エアコンをつけずに我慢すると、室内での熱中症のリスクが高まったり、体調を崩してしまったりする可能性があり、危険です。
極端に使用しないのではなく、設定温度を調節するだけでも、節電につながります。

「手動で温度調節をするのは大変な気がする・・・」と思った方は、以下の弊社ブログで”自動で温度調整をする方法”をご紹介しているので、ぜひご参照ください。

2. デマンドレスポンスの導入

電力の需要量と供給量のバランスを調整する方法として、「デマンドレスポンス(DR)」という考え方があります。

上記でもご説明した通り、発電所の休廃止などにより、今では需要側に合わせた電力量を供給することが難しくなっています。

そこで、各電力小売事業者は、デマンドレスポンスを取り入れて、電力不足が危惧されるときや需要量が供給量を上回ると予測されるときに、消費者に要請を出します。

そして、消費者側がそれに応じる形で、需要量を調整する取り組みが大切になっています。

デマンドレスポンスについては、以下ブログをご覧ください!

まとめ:電力ひっ迫と向き合い、持続可能な社会を目指して

今回は電力不足の深刻さについてご説明しましたが、いかがでしたか?電力不足が起こってしまっているのはいろいろな背景があり、これからはわたしたちの節電行動が重要度を増していきます。

少しでも多くの方が電力不足の問題や節電に興味を持っていただけるきっかけになったらうれしいです。

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電気・電力

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