
スマートロックは知っているけど、買わない
スマートロックは、玄関の鍵をスマートフォンなどで操作できるようにするデバイスで、アプリのボタン一つで施錠・解錠ができるようになります。外出先から鍵の状態を確認したり、家族に合鍵アプリを共有したり。鍵という、何十年も変わらなかった日常のインフラを、一気にアップデートしてくれる存在です。
今回、私たちNatureは、スマートリモコン「Nature Remo」のユーザー4,725名を対象に、スマートロックに関するアンケートを実施しました。Nature Remoをお使いの方は、スマートホームをすでに体験している、いわばテクノロジーとの距離が近い方々です。

そのため、アンケート回答者の96.7%が、スマートロックの存在を「知っている」と回答しました。ここまでは想定どおりです。
しかし、驚くべきはその先でした。
アンケート回答者の、33.8%が「購入を検討したが、購入しなかった」と答えていたのです。また、32.9%の人は購入を検討すらもしていませんでした。
最新のテクノロジーを日々の暮らしに取り入れてきたNature Remoユーザーが、なぜ「鍵」だけは昔のままでいいと思うのか。
アンケートの結果を読み解いていくと、そこには単なる機能不足では説明できない、4つの事実が浮かび上がってきました。
データで見る、スマートロックの「理想と現実」
では、テクノロジーへの感度が高いNature Remoユーザーがなぜスマートロックを購入しなかったのか、4つの事実から紐解いていきましょう。
Fact 1. 買わなかった理由の第1位は、「締め出し」への恐怖

「購入を検討したが、購入しなかった」と回答した1,599人に、その理由を尋ねました。
最も多かった回答は、「電池切れや故障による締め出しが不安」。数ある懸念を押しのけて、堂々の第1位です。
スマートロックの電池が切れたら?スマホと鍵が通信できなくなったら?深夜にヘトヘトで帰宅したのに、玄関のドアがうんともすんとも言わない。
このような「万が一」のシナリオが、頭をよぎるのです。
スマートリモコンを使用しているからこそ、スマートロックに不安をいただいている。皮肉にも、リテラシーの高さがリスクを不安視する姿勢につながっていると考えています。
Fact 2. 不安が強い人ほど、実はスマートロックを購入している

鍵の締め忘れや紛失に対して「強い不安」を感じている層のスマートロック購入率は39.6%。一方、それ以外の層の購入率は27.5%でした。
不安が強い人ほど、約1.4倍もスマートロックを購入していると言う結果になりました。
「家を出た後、鍵を閉めたか不安になって引き返す。」
「鍵をどこに入れたかわからなくなってバッグの中をひっくり返す。」
こうした経験に心当たりがある方は少なくないはずです。
多くの人にとってスマートロックは、鍵にまつわる日常の小さなストレスを和らげるための、いわば不安解消の手段として求められていると考えています。
Fact 3. しかし導入者の「44.9%」は、結局「物理鍵」を持ち歩いている

不安を解消するために手に入れたスマートロック。では、導入後の暮らしは本当に変わったのでしょうか。
他社製品を含むスマートロック使用者を対象にした実態調査では、ほぼ半数の44.9%が、スマートロックを導入した後、その便利さをを実感しながらも従来の物理鍵を持ち歩いていたのです。
「締め忘れが不安だから」と導入したのに、今度は「スマートロックが動かなくなったらどうしよう」という新たな不安が生まれる。その結果、スマホを持ち、さらに保険として物理鍵もポケットに入れておく。
「手ぶらで出かけられる」はずだったのに、持ち物は減っていない。むしろスマホの充電まで気にしなければならなくなった。
スマートロックが生んだ、小さいけれど確かな「矛盾」だと考えています。
Fact 4. 最新ガジェットを使いながら、「指差し確認」をしている

最後にご紹介するのは、自由回答欄に寄せられた、思わず二度見してしまう回答たちです。
「スマートロックによる締め出しの対策について、実施しているものを選択してください」という質問に対して、スマートロックユーザーからはこんな声が寄せられました。
鍵を閉めた後、もう一度ドアノブを引いて確認する
出かける前に何度も確かめてしまう
スペアキーを庭の隠し場所に置いている
指差し確認をしている
スマートロックのアプリには、施錠・解錠の履歴がきちんと残ります。スマホを開けば、鍵が閉まっているかどうかは一目瞭然。わざわざ玄関まで戻る必要はないはずです。
それでも、自分の目で見て、手で触って、確かめずにはいられない。
今あるスマートロックがユーザーに「100%の安心」を届けきれていない可能性があると考えています。
一周回って、「鍵を持つ」が正解だった。
4つの事実を振り返ってみましょう。
- スマートロックを買わなかった人の最大の理由は、「締め出し」への不安。
- 鍵への不安が大きい人ほど、スマートロックを購入している。
- しかしその約半数は、導入後も物理鍵を手放せていない。
- そして多くの人が、アプリがあるのに「指差し確認」を続けている。
ここから見えてくるのは、シンプルで切実な「鍵を完全に手放すことへの、根強い不安」だと言えます。
私たちはこのアンケートをもとに、「鍵を持ち歩くこと」を前提にして、その鍵が “カバンから出さなくていいキー”に進化させられないか、と考えました。
- 約半数の人が感じている鍵を持つ手間:カバンに入れたまま、玄関に近づくだけで必ず解錠されるなら、手間はゼロになる。
- 締め出しへの恐怖:物理鍵と一緒に使う前提なら、電池が切れていても家に入れる。
- 鍵をなくすかもしれないという不安:紛失防止機能をつけて、鍵がなくなっても探せるようにすれば良い。
これが、4,725人の声と向き合った末に、Natureがたどり着いた一つの答えです。