EV(電気自動車)に興味はあるけれど、充電のことが心配で踏み切れない……そんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。

「充電時間はどれくらい?」「外出先で困らない?」と不安になる方も多いと思います。 特に「急速充電」は、ガソリンの給油とは異なり、あくまで長距離移動を助ける「特別なツール」と捉えるのが正解です。

本記事では、急速充電の仕組みや料金の実態、そして自宅での充電とどう組み合わせれば、お財布に優しく快適なEVライフが送れるのか、賢い使い分けのテクニックを分かりやすく解説します。

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EV(電気自動車)の急速充電とは?

まずは、急速充電とは一体どのようなものなのか、その仕組みと、自宅充電との主な違いについて見ていきましょう。両者の役割を正しく理解することが、EV充電を正しく行うための第一歩です。

直流・高出力で、短時間での充電を可能に

急速充電とは、非常に高い電圧と直流電源を使い、短時間で一気に電力を車へ送り込む充電方法のことです。例えるならば、太いホースで勢いよく水をバケツに注ぎ込むようなものです。

交流電源を使用する自宅充電に比べて出力が圧倒的に大きく、移動の合間にバッテリー残量を素早く回復させたい時に頼りになる存在です。

普通充電との違いは?

普通充電と急速充電の最大の違いは、利用するタイミングです。

普通充電は自宅や宿泊先のホテルなどで、寝ている間に時間をかけて満タンにする、いわゆる「基礎充電」のためのものですが、急速充電は移動中に足りない分を短時間で継ぎ足す「経路充電」のためのものです。

そのため、バッテリー残量が少なくなった緊急時や、長距離ドライブの休憩中に「ついでに少し充電しておく」といった使い方が、時間も無駄にせず最も効率的だと言えます。

利用前に知っておきたい急速充電の3つの特徴

便利な急速充電ですが、ガソリンスタンドとは勝手が違う点もいくつかあります。初めて利用する前に知っておきたい、急速充電ならではの「3つの特徴」をご紹介します。

特徴1. 利用時間は「1回30分」

高速道路のSA/PAや道の駅など、公共の急速充電器には「1回30分」という利用ルールがあります。日本国内の多くのサービスが最大30分とルールを定めています。

国内のほとんどの急速充電器が同ネットワークに接続されているため、「急速充電は1回30分まで」という日本独自のルールが定着しています。

限りある充電器を多くのユーザーで公平にシェアするため、もし30分経っても充電が終わっていなかったとしても、一度充電を停止して次の方に場所を譲るのが基本です。

特徴2. バッテリー保護のため満充電にはならない

急速充電では、バッテリー残量が80%を超えたあたりから、充電スピードがガクンと落ちるように制御されています。

これは、車に搭載されたBMS(バッテリーマネジメントシステム)という管理システムの働きによるものです。BMSはバッテリーの温度や電圧を常に監視しており、満充電に近づくと、これ以上強い電流を流すとバッテリーが傷むと判断して、自動的に受け入れる電気の量を絞ります。

そのため、30分間粘り続けても100%にはならないことがほとんどです。80%くらいまで入れば十分、と割り切って出発するほうが、時間効率も良くなります。

参照:Panasonic「電気自動車(EV)におけるBMSとは?」

特徴3. 充電器の最高出力で充電されるわけではない

充電器のカタログに「90kW対応」とあっても、常にその最高スピードで充電されるわけではありません。 外気温(特に冬場の寒さでは充電に1.5~2倍※1の時間を要する)や、高速走行直後でバッテリー温度が上がっている場合など、コンディションによって充電速度は大きく変化します。

また、自動車側の受け入れkWによっても充電速度は変わります。以下のEV Smartさんの記事も併せてご確認ください。

※1:BESEN「温度は電気自動車の充電に影響しますか?」

急速充電器の使い方と探し方

特徴を押さえたところで、実際に急速充電器を利用する際の手順や、スムーズに充電スポットを見つけるためのコツを確認しておきましょう。事前の準備がトラブルを防ぎます。

充電スポット検索アプリの活用

いざという時に「充電器が見つからない!」と困らないよう、お出かけ前には「EVsmart」や各自動車メーカーのアプリで充電スポットを確認しておくと安心です。

場所だけでなく、「現在使われているか(満空情報)」や「故障中ではないか」もリアルタイムで分かるアプリも多いため、現地に行ってから待たされるロスを減らすことができます。

充電の基本手順5ステップ

使い方は意外とシンプルです。駐車し、EVのスイッチをオフにしたのち、「コネクタを車に接続する」→「認証(充電カードやアプリ)をおこなう」→「スタートボタンを押す」で充電が開始します。

最も大切なマナーは「充電が終わったらすぐに車を移動すること」です。充電完了後に放置していると、他のユーザーにとって大きな迷惑となるため、スマホのタイマーなどで時間を管理し、速やかに移動しましょう。

充電器の規格(CHAdeMO、テスラなど)

日本国内の急速充電器は「CHAdeMO(チャデモ)」という規格が標準ですが、テスラ車などは独自の「NACS(スーパーチャージャー)」という規格を採用しています。テスラ車などの場合、「変換アダプター」を使用することでCHAdeMO充電器も利用可能になり、利便性が大きく向上します。

※CHAdeMO協議会としてはアダプターの使用を原則として推奨しておらず、すべての充電器での動作を保証するものではありません。利用する際は、自動車メーカーが提供する純正品を使用するなど、安全面に配慮して利用しましょう。

気になる充電料金は?急速充電と普通充電のコスト比較

EVに乗る上でコストは重要な検討事項となるのではないでしょうか。一般的なガソリン車や自宅での普通充電と比較しながら、1km走るためにいくらかかるのか、具体的な費用目安を解説します。

急速充電の料金体系(月額基本料+都度課金)

急速充電の料金は、一般的に「充電カードの月額基本料」と「使った時間分の料金」の合計で決まります。

会員登録なしで使える「ビジター利用」という方法もありますが、会員料金に比べて単価が割高に設定されていることが多いため、頻繁に使う場合は各社の会員カードを作るのが一般的です。

頻繁な急速充電は割高になる

EVは、「どこで充電するか」でコストは大きく変わります。例えば、会員にならずビジターで急速充電を利用した場合、走行コストは約15.4円/km※2となり、一般的なガソリン車の約10円/km※3よりも高くなるケースがあります。

一方、会員価格であれば約5.5円/km※4となり、一見ガソリン車より安く済みそうですが、月会費が発生します。急速充電は安さよりも「時間を買う(充電時間を短縮する)」ための対価と捉えるのが良いでしょう。

※2 ビジター利用(50kW超・77円/分)で、30分あたり20kWh充電できたと仮定(単価92.4円/kWh)。電費6km/kWhで試算した場合。(92.4÷6≒15.4円)
※3 レギュラーガソリン150円/L、燃費15km/Lと仮定した場合。(150÷15=10円)
※4 30分あたり20kWh充電できたと仮定(単価33円/kWh)。電費6km/kWhで試算した場合。(33÷6≒5.5円)

コストを抑える基本は「自宅での普通充電」

一方、自宅での充電(普通充電)をメインにすると経済性は一変します。 家庭用電力(目安31円/kWh)で計算すると、走行コストは約5.2円/km※5。これはガソリン車の約1/2、急速充電をビジターで行った際の約1/3程度です。

さらに電力会社の「夜間お得プラン」などを活用すれば、より費用を抑えることも可能です。 自宅で充電できる環境であれば、日常の走行分は単価の安い自宅充電で賄うのが、EVの経済性を最大限に引き出すポイントです。

※5 全国家庭電気製品公正取引協議会の電気料金目安単価31円/kWh、電費6km/kWhで試算した場合。(31÷6≒5.2円)

EVライフを快適にする「充電の賢い使い分け」

コストや利便性の違いを踏まえると、EVライフを快適にするカギは使い分けにあることが見えてきます。さらに、自宅充電をより便利にする最新技術についてもご紹介します。

遠出は「急速」、日常は「普通」が基本スタイル

おすすめのスタイルは、普段は自宅での基礎充電でバッテリーを満たしておき、遠出で足りなくなった時だけ急速充電を利用する方法です。 これなら外出先での充電待ちのストレスも最小限に抑えられ、ランニングコストも安く済みます。また、バッテリーへの負荷も、急速充電ばかりを繰り返すより軽減されると言われています。

自宅充電にも課題が…

自宅充電は便利ですが、「今月どれくらい電気を使ったか分からない」「他の家電と同時に使うとブレーカーが落ちないか心配」といった声も聞かれます。 ガソリンと違って「見えない電気」を管理することに、最初は少し戸惑うかもしれません。

自宅充電を「スマート化」して効率を上げる選択肢

最近では、こうした課題を解決する「スマート充電(IoT充電)」という技術も登場しています。

EVコンセントをIoT化する「スマートEV充電コントローラー」は、アプリで充電量や電気代を可視化したり、家全体の電気使用量に合わせて充電スピードを自動調整してブレーカー落ちを防いだりすることが可能です。

まとめ

急速充電は、EVの行動範囲を広げてくれる頼もしい存在ですが、コストや時間を考えるとここぞという時のサポーターとして付き合うのがおすすめです。 

自宅で充電できる環境にある方は、日常は自宅での充電をベースにしつつ、必要な時だけ急速充電を賢く利用する。これが、お財布にも時間にもゆとりのある、現代的なEVライフの形ではないでしょうか。

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