
2024年6月26日(水)に発表し、2024年7月5日(金)に発売予定のNature Remo Lapis(ネイチャーリモラピス)は、これまでのNature Remoシリーズとは異なる特徴を多く持つ。
auでんき「スマート節電 with Nature Green」で使われる「オートエコ機能」に代表される節電機能は特徴の1つだ。また、節電機能だけではなく、「熱中症アラート」などの健康につながる機能が追加予定となっている。
Matter接続数の上限が20台となり、スマート照明「Philips Hue」シリーズとの連携も予定している。メーカーの垣根を超えて、いろいろなスマートホーム機器とつながりやすいプロダクトを目指している。
Nature Remo Lapisの特徴はそれだけではない。まるで本物の石のようなデザインも、今までのNature Remoシリーズとは大きく異なる特徴のひとつだ。
発表直後から開催中のSNSキャンペーンは、1枚の写真の中で石に紛れたNature Remo Lapisを探すキャンペーンだ。実は、Natureのメンバーでも当てるのが難しい。
この石のようなデザインは、どのように作られたのだろうか。創業時からNature Remoのデザインに携わっているデザイナーの長尾に話を聞いた。
ガジェット感をなくし、自然界に倣った不完全な造形に。
ーこれまでのNature Remoシリーズと異なり、Nature Remo Lapisの筐体は石をモチーフとしたデザインになっています。なぜこのようなデザインとなったのでしょうか?
長尾
これまでのNature Remoシリーズは初代から変わらず、「存在感がない、考えさせない」ことを目指してきました。壁の色に馴染ませた白色を基調とし、シンプルで小型な筐体を理想形としてきました。
今回のNature Remo Lapisは、ミッションをより反映させていきたいと考え、「Live with Nature」自然と調和するデザインというコンセプトで開発しました。「生きる、暮らす」ことがもっとナチュラルになること、自然と調和することを目指しています。

ーそのコンセプトで開発を進めたときに、なぜ石が思い浮かんだのでしょうか?
長尾
デザインのコンセプトを考える際、新しいNature Remoではガジェット感をなくした、不完全な造形にしたいと考えていました。もともとのNature Remoシリーズは四角い筐体でしたが、角に丸みをもたせたり、完全な丸にしてみたり、試行錯誤を重ねていました。
その中で、綺麗な真円を少し歪ませて「フニャッとした」形にした際、その不完全な造形から石が思い浮かびました。そこで、拾ってきた石の形そのものを使って、デザインを作ることを考えました。

ーLapis(ラピス)という名前も、石を示しているわけですね。
長尾
はい。Lapis(ラピス)はラテン語で「石」という意味です。
Nature Remo(ネイチャーリモ)も自然なリモコンという意味合いがあるので、これまでのNature Remoシリーズよりも「Nature Remo」を体現するプロダクトとなりました。
海へ石を拾いに行きました。
ー拾ってきた石の形そのものを使ったとのことでしたが、一口に石と言ってもいろいろな石があります。どのような石が良さそうだと考えていましたか?
長尾
海辺の石が良いと思い、モチーフに選びました。Natureの会社としてのルーツは海にあるため、コーポレートカラーも深海の海の色として、重厚感のある深い青色を採用しています。また、ロゴも水平線に浮かぶ太陽をモチーフにしており、海の要素が含まれています。
そのため、川の石ではなく、海の石を拾いに行きました。

ー拾ってきた石をどうやってNature Remo Lapisにしたのでしょうか?
長尾
まず、拾ってきた石を3Dスキャンしました。スキャンしてみるとわかるのですが、実際の石はうねうねしており、大量生産には向かない形状をしています。そのため、実際の石の形状から微調整を加え、量産に耐えうるシルエットを作ります。
また、表面のテクスチャは、石をスキャンしたものを金型に刷り込んでいます。その後、実際に筐体となる素材を作っていくのですが、赤外線が透過する素材を開発するのにとても苦労しました。

ー具体的にどのようなポイントが大変だったのでしたか?
長尾
素材の配合量のバランスを決めるのが難しかったです。今回、5種類の素材を使っているのですが、ベースとなる色の透明度が赤外線の飛距離に大きく影響します。赤外線の飛距離が落ちてしまうと、Nature Remoから操作できる家電が減り、複数の家電を操作しようとしたときの設置条件も厳しくなります。
性能を担保しつつ、石らしい柄になるよう細かく調整を重ねてバランスを決定しました。
全ての体験が、自然とつながる。
ーまさに作り手の苦悩ですね。筐体のデザイン以外で、こだわったポイントはありますか?
長尾
パッケージもこだわったポイントです。砂浜がインスピレーションの元になっていて、砂浜から石を手に取り、家に置く体験を再現しています。

長尾
また、Nature Remoユーザーのみなさんが使うアプリの中では、今後、波や波紋のアニメーションが使われていきます。パッケージを開けてから家に置き、アプリで操作するまで、全ての体験が自然とつながっていきます。

生活のノイズにならない、ここちよい空間を。
ーまさに「Live with Nature」。自然と共に生き、暮らすというわけですね。長尾さんがプロダクトを作るうえでのこだわりを教えて下さい。
長尾
観葉植物のように、空間に調和しているようなプロダクトを作ることです。生活のノイズをなくしていきたいと考えています。
ー「生活のノイズ」とは具体的に何を指していますか?
長尾
例えば、壁についているコンセントや、そこから伸びている電源ケーブルは家具の裏に隠す人も多いですよね。必要だけど、あまり見えてほしくない。
そんな機器や家電って家の中に意外と多いと思います。
ーコンセントやケーブルは当たり前にあるものだったので、あまり意識したことはありませんでした。
長尾
これまでのNature Remoシリーズは壁の一部として溶け込むような存在でしたが、今回のNature Remo Lapisはインテリアの一部となり、オブジェのような存在感になりました。ディスプレイやセンサーをたくさん搭載するよりも、部屋に馴染んで存在を意識させないことを徹底しています。

ー最後に、Nature Remo Lapisのデザインに込められた思いを、あらためて教えてください。
長尾
Nature Remo Lapisは、スマートホームデバイスを使ってこなかったような方々に向けたデザインとなっています。これまでのNature Remoシリーズはシンプルでクリーンな印象で、やや難しい印象を与えていたところがありました。Nature Remo Lapisでは、もっとリアルな暮らしの中に生活の中に自然に佇み、やさしく寄り添うことを目指しています。
Nature Remo Lapisで、自然と調和する心地よい体験を楽しんでいただければと思います。
